あじさいスタジアムで、オリックスvs中日の最終戦が行われました。
中日の先発は川井。
オリックスの先発メンバーや試合結果は、以下の通り。
http://www.buffaloes.co.jp/farm/scoreboard/record/2009092401.html古木と木元は、先発から外れていました。
相手投手が左だったからかな・・と、思いつつも、残念でしたね。
今日が、最後の公式戦です。
出番がこのままないようならば、帰りたいと思っていました。9月の末なのに、とっても暑かったからです。
長田くんは、打撃ではなく、堅実な守備で地道に残るタイプかもしれません。
今となっては、記憶が曖昧ですが・・、多分、7回裏から、木元や古木は交代してグラウンドに入ったように思います。
7回くらいまで投げて、中日の川井の登板が、斉藤に代わっていました。
サードを守っています。
正直、もっとサードの守備がうまければ・・・・・・・・・・・・・。機敏なら・・。
と、よく、あじさいスタジアムで、思ったものです。
8回。
打席がたった一度だけ、回ってきました。
公式戦のラストです。
8-3
中日が大差をつけています。
打順から考えても、今日は、この一打席しかないことは、分かっていました・・。
本人にとって、何気ない打席での表情も、人によっては怒ってると思われてしまう・・。
実際には、ただ考え事をしているだけなんですけどね・・。
これが、仮に、きわどい球を投げられた後で、一軍でテレビ放送された画像なら、この口元は、「投手にメンチ切っていた」という解釈をされる確率が高い。
この顔の口元は、「しばくぞ、ゴラァ」や、「なめんなボケ」に見えたなら・・・。
木元の顔面解析に失敗しています。
状況からして、どうしても打ちたい・・と、切実な人の顔です。
でも、顔つきとか表情、ほんと、普通の状態がこの人の場合はすでに怖いんですよね・・。
こういう顔つきだと、やる気なし・・と、投影される。
しかし、それは、今、この瞬間において、ぜったいにない・・。
なぜなら、公式戦の最後。これから、どうなるか分からない。もしかして、これが最後になるかもしれない。
後悔のないように、粘って考えて苦しんで打席に立つしかない状況なのだから・・。
ほんとは、ただ、もう無我夢中なんですけどね・・。
本人だって、うっすら気付いているはずです。
解雇されてもおかしくないと・・。
だから、粘る。
カウントは、2ストライク、3ボール。
ずっと、息を詰めて見ていたせいか、すごく長く感じられました・・。
最後の球が投げられる・・・・。
三振か、ヒットか、ファールか・・・・・・・・・・。
打ちました。
センター方向に大きく飛んでいきます。
入った・・。
ホームラン。
嬉しくはしゃぐという感じではなく、ぐっと想いを噛み締めている感じ。
パーっと、うれしそうに笑うかと思いましたが、しょぼんとして、いつもより小さく見えました。
ベンチでも、出し切った・・ように、ぼーとしています。
何か、雰囲気が違うんですよね・・。
ホームランを打った直後の人というより、お葬式で追悼している人みたいでしょう?
文字や音楽や映画でしか、表現できないような・・。本人にも分からない、いろんな感情がそこで交錯していたんだと想う。
正直、今も分からない。
泣きそうな顔にも見えるし、それは、私が悲しい気持ちを投影したに過ぎないのか・・。
分からないけれど、漠然と悲しかった。
見ていて、この人は、かなり疲弊して、傷ついているのだろうなぁということだけは、なんとなく感じた。
私は、昔、長瀬主演の歌姫というドラマの感想で、こんなことを書きました。
ギリギリいっぱいの感情が溢れそうなのをこらえる姿が美しい。眼だけが正直に感情を映している。
見ているこちらは、ギュッと感情を引き絞られる。
山田詠美せんせぇが、「男は何かを我慢している姿が最も美しい」とか、どこかでおっしゃっていたが、本当にその通り。
鈴と別れ際丁寧に頭を下げる太郎。
葛藤や苦悩や悲しみや、鈴への気持ちが高まって、でもそれを必死でこらえて、顔を上げる際に、横から見た顔が「まるで人殺しが相手を睨んでいるかのような鋭い眼」になってしまっている。
ほんとにね・・、知らん人が事情を知らないで、その時の顔だけを見たら、怒ってるみたいな顔になっちゃって・・。
知らん人が見たら、「長瀬、こ、こわいよう・・」と思うかも・・。
本人は、「泣きたい、切ない、辛い」を我慢して必死になっているのに・・。
その時の顔が怖かった。なんだろう。悲しそうな泣き顔より、優しい笑みより、多分、そっちの方が、逆に切ない。
太郎は・・ほんとに、苦しいんだな・・と分かる。
鈴のためを思って、記憶がないフリをしたんだな・・とこちらには分かる。
人に気付かれんのが本当の優しさばい・・。 by がばいバァちゃん
まぁ、そういうのも込みで、太郎の鈴に見せた、別れの際のギリギリの表情は良かったな。
鈴がいないところで見せた泣き顔も良かった。
みたいな感想を書いたことがあります。
まぁ、ドラマを見てない人には、分からんので長く説明していますが・・。
ギリギリの場所にいる人だけが出す表情ってありますよね・・。
矢が刺さって仁王立ちの弁慶とか、釜の中で息子を抱えている五右衛門とか、ドラマの中の長瀬のあの顔とか・・。
なんか、それを思い出しました。
似てるなぁと・・想った。
ドラマや映画の中でしか見れないような、一瞬ってあるんだなぁと想った。
木元がホームランを打った後の顔も、ただの怖い顔なのか、別れを悟った男のギリギリいっぱいの顔なのか・・どっちなんでしょうね・・。
最後は、ホームランというのは、なんとなく予想していました。
昨年の夏、ぼーっと歩いていたら、後ろから車が来て、ふっと振り向いたら、運転手が、「木元、そっくりやんけ!」と思い、走ってる車に手を振ったら、車が止まった・・・・。
イカン・・。外車を路上で止めてしまった・・・・・・・・・・・。
しかし、意外にフレンドリーな木元さんは、「今、帰りですか?」と快活に丁寧に挨拶までしてくれて機嫌もいいしニコニコとしばらく話をしているけれど、私は、「打たないと解雇されるんだよなぁ・・」と、ずっと頭の中がモヤモヤしていていました・・。
もうここで、車を止めてしまったからには言わねばならない。
「打ってください、ホームラン!」
でも、言った後で、無理だなぁと・・なんとなく思っていました。事実2008年は打っていません。
(打ちたいと思ってホームランを打てるようになれば、運も上向きになるんじゃないかなと、ずっとそう思っていたんです・・)
それに、本人はホームランって言われると、すごい嬉しそうだったので、きっと、本人もホームランを打つことが大好きなんたろうなぁとは思っていました。
プロ野球aiでも、ハム時代、「最後はホームランで決めたい」みたいなことを言っていたことがあったから・・。
この人、ホームランを打つと嬉しいんだろうなぁと思っていました。
ていうか、みんな好きですよね。ホームラン・・。
多分、その時の、心地良さそうな顔を覚えていたから、最後はホームランなんだなぁと・・いう気はしていました。
本人、オリックスのこと、好きだったと思いますよ・・。
いつ見ても、ほんとに、たのしそうに幸せそうにしてましたから・・。
9月に入って、急に、調子が上向きになって、9月は12試合に出て、打率も.459でした。
解雇は予告されていたのか、本人が覚悟をしていたのかは知りませんが、その日、何かを覚悟していた顔つきの木元は、たった一打席しかなくても、ホームランも打っています・・。
昨年も、同じような時期に、デカイのを打ちたい雰囲気はあっても、ぜんぜんダメだった頃に比べると、今は、雰囲気が違います。
私、ながーく観戦記を書いて、これまで、一度だけですね。大ちゃん、使ってくれよ・・と書いたのは。9月の末に初めてそう思いました。
今後、まだチャンスがあるのかどうか・・。
私には、分かりません・・。
ただ、移籍してから、ずっと観察してきて、「やっと、スイッチが入った・・」と、確信を持ったことは確かです。今なら打つ・・という雰囲気が戻ったのか、2009年の9月。
今ならば、打つと、初めて、私は、そう思いました。
しかし、もう、遅いですよね・・。
雇う側が、見切りをつけたことに関しては、ごもっともだと思います。
来年は、チャンスを得られるのかどうか、分かりませんが、もし、チャンスを得たなら、この日の打席で見せたような打撃を見せて欲しいと思っています。
おまけ
オリファンのAくんにサービスショット。試合後の、シンタロウ。